1.ビタミンEとは?
ビタミンEとは、穀物の胚芽などに多く含まれる栄養素で、
不妊症の研究がきっかけで発見されたビタミンです。
ビタミンEには高い抗酸化力があり、
活性酸素から体を守るビタミンとして、「若返りのビタミン」とも呼ばれています。
ビタミンEは油脂に溶ける脂溶性のビタミンに分類されます。
ビタミンEは、トコフェロールとトコトリエノールに分類され、
それれぞれα(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)、δ(デルタ)-トコフェロールと、
α、β、γ、δートコトリエノールの8種類が存在し、それらを総称して「ビタミンE」といいます。
その中でも、αートコフェロールは最も強い抗酸化力を持ち、体内にあるビタミンEの約90%を占めます。
ビタミンEは脂溶性なので、体内に蓄積されやすい性質を持ちます。
2.ビタミンEの効果
①老化を防ぐ効果
ビタミンEには強力な抗酸化作用があり、細胞の酸化を防ぎます。
40歳を過ぎると血中の過酸化脂質が急増するといわれています。
細胞が酸化すると、老化が進むだけでなく、
がんや白内障、関節炎、糖尿病、アルツハイマー病になりやすくなると考えられています。
ビタミンEには、脳神経を保護する働きや白内障の進行を緩和するという研究結果が報告されています。
また、過酸化脂質とたんぱく質がむずびつくと、老化色素リポフスチンが発生し全身に沈着します。
リポフスチンの量が多ければ多いほど老化しやすく、少なければ少ないほど老化の進行が遅くなるという研究結果も報告されています。
②美肌・美白効果
ビタミンEには血流改善効果があります。
そのため、全身に血液が供給され細胞の新陳代謝も活発になるため、
くすみを改善し、肌のツヤやハリがでる効果が期待できます。
また、ビタミンEには紫外線によって発生した活性酸素からお肌を守る効果もあるため、シミやそばかすにも効果的です。
ビタミンEは皮膚に浸透しやすいため、ビタミンEを配合した化粧品も数多く存在します。
③妊娠率を上げる効果
ビタミンEの化学名「トコフェロール」とは「子どもを産ませる」という意味です。
ビタミンEには、性ホルモンの生成や分泌を司る脳下垂体に働きかけ生殖機能を維持する効果があります。
そのため、ホルモンのバランスが整えられ、月経前のイライラ、生理痛、生理不順などの改善にも期待できます。
最近の研究では、ビタミンEと排卵誘発剤を併用すると妊娠率が上がるという報告もあり、
不妊治療として摂取を進められることもあるようです。
また、女性だけでなく、男性もビタミンEを摂取することで精子数の増加や精力を高める効果があるといわれています。
④生活習慣病の予防と改善
ビタミンEの抗酸化力は、生活習慣病の予防や改善にも有効です。
ビタミンEには血流を改善し、血液をサラサラにする効果があるため、
動脈硬化や高血圧、心筋梗塞、脳卒中などの予防につながります。
3.ビタミンEの一日の摂取目安
ビタミンEの一日の摂取目安は6mg~15mgです。
健康効果を十分に発揮するためには、一日100~300程度必要だと言われています。
摂取上限量は以下の通りです。
引用:わかさの秘密
4.ビタミンEを多く含む食材
ビタミンEを多く含んでいる食品は、
果物
すだち、イチジク、ラズべりー、アボガド
野菜
かぼちゃ、モロヘイヤ、菜の花など
魚介類
ウナギ、ニジマス、アユ、ハマチなど
ナッツ類
アーモンド、ヘーゼルナッツ、落花生など
植物油
ひまわり油、コーン油、綿実油、ベニバナ油など
その他
小麦胚芽、卵など
ちなみに、一番ビタミンEを多く含んでいる食品は『せん茶』です。
5.ビタミンEを効果的に摂取する3つの方法
①油から摂る
ビタミンEを7mg食物から摂取しようと思うと、木綿豆腐なら5~6丁、アーモンドだと23~24粒、ほうれん草1.5~2束ほど食べる必要があります。
日常生活で十分なビタミンEを摂取したい場合は、ビタミンEを多く含む「ひまわり油」や「べにばな油」「綿実油」「米ぬか油」を使用するのが簡単でおすすめです。
ひまわり油 大さじ1杯=ビタミンE 4.6mg
綿実油 大さじ1杯=ビタミンE 3.4mg
べにばな油 大さじ1杯=ビタミンE 3.3m g
ビタミンEは油溶性なので、油と一緒に調理をすることでより吸収率が高まる特徴があります。
ビタミンEが多く含まれている油を使用することでより効果を高めましょう。
ただし、劣化するとビタミンEは損なわれるため,
できるだけ新しい油を使用するようにしましょう。
②ビタミンACE(エース)を摂る
ビタミンEは、他のビタミンと一緒に摂取することで吸収率があがります。
とくに、ビタミンCと同時に摂取することで、ビタミンEの抗酸化力が高まります。
また、ビタミンAには、ビタミンCやビタミンEの働きを長持ちさせる効果があります。
さらに、ビタミンEにはビタミンAの酸化を防ぐ効果があります。
このように、お互いに相乗効果で高め合う抗酸化のビタミンとして、
ビタミンACE(エース)と呼ばれています。
③サプリメントで摂る
普段の食事で一日の摂取目安は達成することができます。
しかし、ビタミンEの美容効果を得たい!という場合は、
一日あたり100~300程度のビタミンEが必要だといわれています。
食事からのみの摂取は難しいので、サプリメントを使用して効果的に摂取するとよいでしょう。
ちなみに、ビタミンEの一日の摂取上限量は、成人女性は650mg、成人男性は800mgです。
サプリメントの配合量をよくチェックして、摂りすぎにも気をつけましょう。
6.ビタミンEまとめ
ビタミンEには高い抗酸化作用があり、
美白や美肌だけでなく、健康面でもさまざまな効果が期待できるビタミンです。
また、ビタミンACEと一緒に摂取したり、油から摂取したりなど、
普段の一工夫によって効果を上げることが可能です。
効果的にビタミンEを摂取していつまでも若々しくいましょう♪