セラミドとはお肌のうるおいを保つ成分です。
セラミドは赤ちゃんのときに最も多くお肌に存在し、その量は加齢とともに減少します。
セラミドが減少することで、アトピーや乾燥などさまざまな肌トラブルを引き起しこします。
この記事では、セラミドの効果や種類を理解して、
効果の高いセラミドが選べるように6つの選び方のポイントをご紹介します。
1.セラミドとは?
2.セラミドは加齢によって減少する
3.セラミドの3つの効果
4.セラミドの一日の摂取目安
5.セラミドの種類
⇒ セラミドの種類 ①ヒト型セラミド
⇒ セラミドの種類 ②天然セラミド
⇒ セラミドの種類 ③合成セラミド
⇒ セラミドの種類 ④植物セラミド(パイナップルセラミド)
6.ヒト型セラミドの種類
7.効果のあるセラミドの選び方
1.セラミドとは?
セラミドとは人間の肌の角質層に存在するうるおいを保つ働きをする成分です。
また、紫外線や細菌・アレルギー源などの刺激から肌を守りバリヤーの役目をするのもセラミドです。
人間の皮膚の厚さは約2mmと薄く、
そのうち、セラミドが存在する肌の角質層(一番上の表皮)は、わずか0.02mmしかありません。
しかし、この0.02mmの角質層が外部刺激から肌を守り、皮膚のうるおいを保ってくれる、非常に重要な役割を果たしています。
角質層では、ケラチンというたんぱく質細胞がブロックのように並んでおり、その間を埋めるように細胞間脂質が存在し、ブロック同士を固める役割を担っています。
引用:KAOより
この細胞間脂質のうち約50%以上が”セラミド”です。
セラミドは肌のターンオーバーによって作り出されます。
2.セラミドは加齢によって減少する
セラミドを多く含んだ肌はうるおいに満ちています。
赤ちゃんのお肌がぷるぷるしているのは、セラミドの量が多いからです。
セラミドの産生量は加齢とともに減少していくことがわかっています。
30代では約60%まで減少してしまいます。
30代で化粧ノリの悪さや乾燥が目立ち始めるのは、セラミド不足による影響があります。
50代になるとセラミドの量は20代の半分程度にまで減少します。
50代の肌悩みで多いのは『しわ』ですが、
しわの主な原因はうるおい不足です。
セラミドの減少を補うことが乾燥やしわ改善につながります。
出典:わかさ生活
3.セラミドの3つの効果
では、具体的なセラミドの効果について詳しくみていきましょう。
セラミドの主な効果は3つあります。
①保湿効果
セラミドには非常に高い保湿効果があります。
セラミドは湿度が0%になっても蒸発せず、気温が下がっても凍らない性質を持っています。
厳密にいうとセラミド自体に保湿効果はありません。
セラミドが水分の蒸発を防ぎ、角質層のバリアー機能を整えることでうるおいを保つことができるため、保湿効果が高い成分となります。
②アトピー性皮膚炎を改善する効果
アトピー性皮膚炎とは、かゆみを伴う慢性的な皮膚疾患のことです。
食生活や生活環境、遺伝や人間関係、精神的なストレスなど、様々な要因が重なり合って発症するといわれています。
しかし、近年の研究でアトピー性皮膚炎患者にはセラミドが不足していることがわかってきました。
アトピー性皮膚炎の患者は、皮膚の細胞間脂質に多く存在するセラミドの量が、健康な肌の人と比べて異常に少ないことがわかってきています。
セラミドが不足することで、保湿機能が低下し、乾燥を引き起こし、外部からの刺激物が侵入しやすくなりアトピー性皮膚炎を発症します。
そのため、アトピー性皮膚炎の患者には皮膚からセラミドを補給したり、セラミドを多く含む食材やサプリメントを摂取することが必要だと言われています。
③美白・美肌効果
セラミドにはメラニンの生成を抑え、シミやそばかすを防ぐ美白効果があるといわれています。
また、肌を保湿することで乾燥やしわ、肌荒れなどの肌トラブルを予防し、
肌のターンオーバーを促進する作用があるため、美肌効果が非常に高いといわれています。
4.セラミドの一日の摂取目安
セラミドを取り入れる方法は、
化粧品で直接肌に塗る方法と食品やサプリメントから摂取する方法があります。
化粧品原料として使用されるセラミドは、全部で4種類あります。
サラミドを摂取する場合の一日の摂取目安は、
1日当たり:0.6~1.2mg または 600~1200μg となります。
セラミドを多く含む食べ物(100gあたり)
• こんにゃく(1000μg)
• ジャガイモの皮(670μg)
• 小麦胚芽(220μg)
• 米(100μg)
• 大豆(70μg)
• とうもろこし(40μg)
セラミドの一日の摂取目安量を食べ物から摂取する場合は、
こんにゃくなら半丁、
米ならお茶碗25杯、
小麦はスパゲッティーだと3皿分
必要になります。
こんにゃくはまだしも、お米をお茶碗25杯や、毎食パスタを食べるのは現実的に難しいので、
セラミドはサプリメントで摂取することをおすすめします。
セラミドが含まれたサプリメントは、体内で一度分解され別の成分となりますが、その成分が表皮に到達するとセラミドの産生が促されるため、皮膚のセラミドの量が増えるといわれています。
ちなみに、セラミドと一緒にビタミンB群の一種である「ナイアシン」を摂ると効果が倍増します。
ナイアシンは鶏肉、レバー、かつお、さば、マグロ、ブリ、
または、きのこ類や豆類に多く含まれています。
5.化粧品原料として使用されるセラミドの種類
セラミドを取り入れる2つ目の方法が、化粧品で肌に直接塗る方法です。
化粧品原料として使用されるセラミドは、全部で4種類あります。
セラミドの種類①「ヒト型セラミド」
ヒト型セラミドとは、人間の体内に存在するセラミドに近い構造をもっている合成セラミドです。
ヒト型セラミドは酵母を利用して生成されたもので、保湿力や浸透力に優れています。
刺激が少ないのもヒト型セラミドの特徴です。
ヒト型セラミドの化粧品での表記は、セラミド1やセラミド6Ⅱなど「セラミド○○」と、数字か英語がついています。
セラミドは300種類ほどあり、そのうちよく化粧品に配合されるセラミドは大きく分けて12種類ほどあります。
化粧品での表記は、
セラミド1 (セラミドEOP)
セラミド2 (セラミドNS)
セラミド3 (セラミドNP)
セラミド6Ⅱ (セラミドAP)
セラミド9 (セラミドEOS)
などです。
現在はセラミド+数字での表記が多いですが、
今後は数字からアルファベット表記に統一される予定です。
ヒト型セラミドの種類と効果については、
のちほど詳しく解説します!
セラミドの種類② 「天然セラミド」
「ビオセラミド」「セレブロシド」とも呼ばれ、馬などの動物の脳や脊髄から抽出される動物由来のセラミドです。
動物由来のため、人間のもともと持っているセラミドの構造と近く、保湿力に優れているのが特徴です。
使用し続けることで、セラミドの産生量を増やす効果も期待できます。
以前は牛由来のセラミドが主流となっていましたが、狂牛病問題の影響で現在は馬由来のセラミドが主流となっています。
化粧品での表記は、
・ビオセラミド
・セレブロシド
・ウマスフィンゴ脂質
です。
セラミドの種類③ 「合成セラミド」
合成セラミドは「疑似セラミド」とも呼ばれ、石油原料から化学合成されたセラミドです。
安価で大量生産できることから多くの化粧品に使われています。
ただし、ヒト型セラミドや天然セラミドと比べて効果は薄いといわれています。
化粧品での表記は、
・セチルPGヒドロキシエチルパルミタミド
などです。
セラミドの種類④ 「植物性セラミド」
植物性セラミドは、米ぬか、小麦、コーン、こんにゃく芋など植物由来のセラミドです。
植物性セラミドも天然セラミドと同様「天然成分」となっているため、
お肌に優しいのが特徴です。
化粧品での表記は、
・植物性セラミド
・コメヌカスフィンゴ糖物質
などです。
最新の植物性セラミドとして『パイナップルセラミド』が今注目されています。
パイナップルセラミドは、若返りの成分と呼ばれており、
肌細胞を再生させたり、コラーゲンやヒアルロン酸の産生を促す効果があります。
もちろん、セラミドなので保湿効果にも優れています。
合わせて読みたいおすすめの記事⇒新美白成分『パイナップルセラミド』とは?
6.ヒト型セラミドの種類
現在、人間の皮膚に存在するセラミドは、大きく分けて12種類、細かく分けると300種類以上も存在すると言われています。
セラミドは種類によって少しずつ異なる特性を持っています。
主なセラミドの種類と特徴は、
• セラミド1:水分保持機能と外部刺激からお肌を守る機能。
• セラミド2:水分保持機能が非常に高い。水分のバランスを保る効果あり。
• セラミド3:水分保持機能とシワの浅くする効果あり。
• セラミド4:角質の脂質バリア層の構築と維持をする機能。
• セラミド5:水分保持機能とターンオーバーの促進。シワを浅くする効果あり。
• セラミド6:水分保持機能とターンオーバーの促進。シワを浅くする効果あり。
• セラミド6Ⅱ:ターンオーバーの促進、シワを浅くする効果あり。
• セラミド7:細胞の増殖分化をコントロールする働き。皮膚の常在菌のバランスを整える。
となります。
このうち、人間の肌に最も多く含まれているのは「セラミド2」です。
全体のセラミドの約21%がセラミド2といわれ、肌に及ぼす影響力が非常に高いと考えられています。
セラミドの1、3、6が減少すると、皮膚を過敏になり、ドライスキン、アトピー性皮膚炎などの原因となることがわかっています。
また、セラミド3と6は加齢とともに減少することが確認されています。
7.効果のあるセラミドの選び方
①「ヒト型セラミド」または「天然セラミド」を選ぶ!
天然セラミドや人型セラミドは、人間がもともと持っているセラミドの構造と近いため、
高い効果が期待できます。
②セラミド1、セラミド2、セラミド6、セラミド6Ⅱを選ぶ
ヒト型セラミドを選ぶときは、セラミド1、セラミド2、セラミド3、セラミド6Ⅱを選ぶようにしましょう。
セラミド2は人が最も多く持つセラミドのため、肌への効果も高いことがわかっています。
アトピーや敏感肌の人はセラミド1,3、6を積極的に選ぶとよいでしょう。
加齢による乾燥やしわが気になる人は、セラミド3やセラミド6Ⅱがおすすめです。
③サプリから摂取するなら「パイナップルセラミド」
サプリメントからセラミドを摂取する場合は、
新成分として、今注目を集めている「パイナップルセラミド」がおすすめです。
パイナップルセラミドは、他の植物性セラミドよりも高い皮膚水分保持効果があることがわかっています。
また、従来の植物性セラミドにはない、保湿力や美白効果も期待できます。
若返りの遺伝子のスイッチをオンにし、
コラーゲンやヒアルロン酸の生成を促進し、肌細胞を再生させる効果もあるため、アンチエイジング成分として注目されている成分です。
パイナップルセラミドの成分名は、
・パインセラ®
・ブライトニングパイン®
です。
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パイナップルセラミドについての記事はこちら⇒新美白成分『パイナップルセラミド』
④セラミド生成をサポートする成分を摂取または使用する
セラミドを増やす成分としておすすめなのが「ナイアシン」です。
ナイアシンとはビタミンB群の一種で、
「ビタミンB3」「ニコチン酸アミド」「ナイアシンアミド」とも呼ばれます。
ナイアシンをセラミドと同時に使用するとセラミドの産生量が4倍にもなるといわれています。
ナイアシンが多く含まれる食べ物は、
・生たらこ
・まぐろ
・めんたいこ
・かつお
・いわし
です
また、「水分保持機能改善効果」が唯一認められている「ライスパワーエキス NO.11」もセラミドの産生量を増やす効果があります。
セラミドは肌のターンオーバーによって作り出される成分です。
そのため、ターンオーバーを促進する「L-シスチン」などの成分もセラミドの効果を高めるといえます。
⑤あまり安値な商品は選ばない
天然セラミドや人型セラミドは、どちらかといえば「高値」の成分です。
効果が十分に発揮されるだけのセラミドを配合すると、価格はそれなりに上がってしまいます。
そのため、セラミド配合を謳っていながら、低量しか配合されていない化粧品も数多くありますので注意が必要です。
全体の容量にもよりますが、原価を考えると価格が3000円以下は要注意です。
⑥美容液またはクリームで取り入れる
セラミドは水溶性と脂溶性の性質を併せ持つ特殊な成分です。
化粧水から取り入れることもできますが、セラミドは美容液やクリームなど脂質として取り入れた方がより効果を発揮します。
セラミドを選ぶときは、美容液やクリームにしましょう。