セラミドとは人間の肌の角質層に存在し、紫外線や細菌、アレルギー源などの刺激から肌を守りながら、肌のうるおいを保つは働きをしている成分です。
人間の皮膚の厚さは約2mm。その内、セラミドが存在する肌の一番上の表皮(=角質層)は、わずか0.02mmしかありません。
しかし、この0.02mmの角質層が外部刺激から肌を守り皮膚のうるおいを保ってくれる、非常に重要な役割を果たしています。
角質層では、ケラチンというたんぱく質細胞がブロックのように並んでおり、その間を埋めるように細胞間脂質が存在し、ブロック同士を固める役割を担っています。
この細胞間脂質のうち約50%以上が”セラミド”です。
セラミドは肌のターンオーバーによって作り出されます。
画像引用:AWALOG
セラミドの種類
現在、人間の皮膚に存在するセラミドは、大きく分けて12種類、細かく分けると300種類以上も存在すると言われています。
セラミドは種類によって少しずつ異なる特性を持っています。
主なセラミドの種類と特徴は、
- セラミド1:水分保持機能と外部刺激からお肌を守る機能。
- セラミド2:水分保持機能が非常に高い。水分のバランスを保る効果あり。
- セラミド3:水分保持機能とシワの浅くする効果あり。
- セラミド4:角質の脂質バリア層の構築と維持をする機能。
- セラミド5:水分保持機能とターンオーバーの促進。シワを浅くする効果あり。
- セラミド6:水分保持機能とターンオーバーの促進。シワを浅くする効果あり。
- セラミド6Ⅱ:ターンオーバーの促進、シワを浅くする効果あり。
- セラミド7:細胞の増殖分化をコントロールする働き。皮膚の常在菌のバランスを整える。
このうち、人間の肌に最も多く含まれているのは「セラミド2」です。全体のセラミドの約21%といわれ、肌に及ぼす影響力が非常に高いと考えられています。
セラミドが1、3、6が減少すると、皮膚を過敏になり、ドライスキン、アトピー性皮膚炎などの原因になるといわれています。また、セラミド3と6は加齢とともに減少することが確認されています。
セラミドの摂取目安
セラミドは食品からも摂取することが可能です。
摂取目安は、1日当たり0.6~1.2mgとなります。
セラミドを多く含む食べ物(100gあたり)
- こんにゃく(1000μg)
- ジャガイモの皮(670μg)
- 小麦胚芽(220μg)
- 米(100μg)
- 大豆(70μg)
- とうもろこし(40μg)
セラミドの一日の摂取目安量を、食べ物から摂取する場合は、こんにゃくなら半丁、米ならお茶碗25杯、小麦はスパゲッティーだと3皿分必要になります。
こんにゃくはまだしも、お米お茶碗25杯や、毎食パスタは現実的に難しいので、セラミドもサプリメントなどで摂取することをおすすめします。
こんにゃくはまだしも、お米お茶碗25杯や、毎食パスタは現実的に難しいので、セラミドもサプリメントなどで摂取することをおすすめします。
セラミドが含まれたサプリメントは、体内で一度分解され別の成分となりますが、その成分が表皮に到達するとセラミドの産生が促されるため、皮膚のセラミドの量が増えるといわれています。
ちなみに、セラミドと一緒にビタミンB群の一種である「ナイアシン」を摂ると効果的です。
ナイアシンは、鶏肉、レバー、かつお、さば、マグロ、ブリ、またはきのこ類や豆類に多く含まれています。
セラミドの4つの効果
①肌を守るバリア機能
角質層の細胞と細胞をつなぎ留め、隙間を埋めることで肌の紫外線や細菌、アレルギーの原因となるダニやホコリなどから肌を守ります。
出典:わかさ生活
②保湿効果
セラミドには非常に高い保湿効果があります。
セラミドは湿度が0%になっても蒸発せず、気温が下がっても凍らない性質を持っています。
③アトピー性皮膚炎を改善する効果
アトピー性皮膚炎とは、アレルギー体質にさまざまな刺激が加わって生じる、かゆみを伴う慢性的な皮膚疾患のことです。食生活や生活環境、遺伝や人間関係、精神的なストレスなど、様々な要因が重なり合って発症するといわれています。
近年の研究で、アトピー性皮膚炎患者にはセラミドが不足していることがわかってきました。
アトピー性皮膚炎の患者は、皮膚の細胞間脂質に多く存在するセラミドの量が、健康な肌の人と比べて異常に少ないことがわかってきています。
セラミドの不足により、保湿機能が低下し、乾燥を引き起こすことで、外部からの刺激物が侵入しやすくなり皮膚炎を発症します。
そのため、アトピー性皮膚炎の患者には皮膚からセラミドを補給したり、セラミドを多く含む食材やサプリメントを摂取することが必要だと言われています。
④美白・美肌効果
セラミドにはメラニンの合成を抑え、シミやそばかすを防ぐ美白効果があるといわれています。また、肌を保湿することで乾燥やしわ、肌荒れなどの肌トラブルが予防し、肌のターンオーバーを促進する作用があるため、美肌効果が非常に高いといわれています。
化粧品に含まれるセラミドの種類と選び方まとめ
化粧品原料として使用されるセラミドの種類
化粧品原料として使用されるセラミドは、全部で4種類あります。
①ヒト型セラミド
ヒトのセラミドに近い構造になるように、酵母を利用して生成された合成セラミドです。
高い保湿力と浸透力を持ちます。
ヒト型セラミドの場合、エイジングケア化粧品の表示の際、必ず、「セラミド○○」と、数字か英語がついています。
ヒト型セラミドとして、エイジングケア化粧品の成分として登録されていないものもあるので、全てが数字とアルファベットで一致するわけではありませんが、次のように対応します。
セラミド1 → セラミドEOP
セラミド2 → セラミドNS
セラミド3 → セラミドNP
セラミド6Ⅱ → セラミドAP
セラミド9 → セラミドEOS
などです。
化粧品成分の表示は、今後数字からアルファベットに統一されるようです。
②天然セラミド
「ビオセラミド」「セレブロシド」とも呼ばれ、馬などの動物の脳や脊髄から抽出される動物由来のセラミドです。
動物由来のため、人間のもともと持っているセラミドの構造と近く、保湿力に優れているのが特徴です。使用し続けることで、セラミドの産生量を増やす効果も期待できます。
化粧品成分としての表示は、
・ビオセラミド
・セレブロシド
・ウマスフィンゴ脂質
です。
③合成セラミド
「疑似セラミド」とも呼ばれ、石油原料から化学合成されたセラミドです。
安価で大量生産できることから多くの化粧品に使われています。
ただし、ヒト型セラミドや天然セラミドと比べて効果はうすいといわれています。
化粧品成分の表示は、
・セチルPGヒドロキシエチルパルミタミド
などです。
④植物性セラミド
米ぬか、小麦、コーン、こんにゃく芋など植物由来のセラミドです。
化粧品成分の表示は、
・植物性セラミド
・コメヌカスフィンゴ糖物質
などです。
最新の植物性セラミドとして『パイナップルセラミド』が今注目されています。
合わせて読みたいおすすめの記事⇒新美白成分『パイナップルセラミド』とは?
セラミド配合の化粧品を選ぶときのPOINT!
①「天然セラミド」または「人型セラミド」を選ぶ!
天然セラミドや人型セラミドは、人間がもともと持っているセラミドの構造と近いため、高い効果が期待できます。
②美容液またはクリームで取り入れる
セラミドは水溶性と脂溶性の性質を併せ持つ特殊な成分です。
化粧水から取り入れることもできますが、セラミドは美容液やクリームなど脂質として取り入れた方が効果的です。
③セラミド1、セラミド2、セラミド3、セラミド6Ⅱが配合されているものを選ぶ
セラミドには種類がたくさんあります。
大きく分けると12種類、細かく分けると300種類以上存在します。
その中で、人間の肌に最も多く存在するセラミドは「セラミド2」です。
また、保湿力が高いセラミドは、「セラミド1」、「セラミド3」、「セラミド6Ⅱ」です。
セラミドについて詳しく知りたい方はこちら⇒セラミドとは?
④植物性セラミドなら「パイナップルセラミド」を選ぶ
新成分として、今注目を集めている「パイナップルセラミド」
従来の植物性セラミドにはない保湿力や美白力が期待できます。若返りの遺伝子のスイッチをオンにする効果もあります。
成分名は、
・パインセラ®
・ブライトニングパイン®
です。
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⑤あまり安価な商品を選ばない
天然セラミドや人型セラミドは、どちらかといえば「高値」の成分です。
そのため、高価が十分に発揮されるだけのセラミドを配合すると、価格はそれなりに上がってしまいます。
セラミド配合を謳っていながら、低量しか配合されていない化粧品も数多くありますので注意が必要です。
目安としては、価格が3000円以下は要注意です。
⑥セラミドを作り出す力をサポートしてくれる有効成分を補給する
セラミドは肌のターンオーバーによって作り出される成分です。
そのため、セラミド生成を促進する成分を使用することも効果的です。
一番おススメの有効成分は、厚生労働省お墨付きの「ライスパワーエキス No.11」です。